【チェックポイント】(すべて当てはまる必要あり):

  1. 会社の決算書の負債項目の中に社長からの借入金である「役員借入金」がある。
  2. この「役員借入金」を将来、社長個人に返済の予定がない、もしくは返済できる状況ではない。
  3. 銀行が「役員借入金」を、格付け計算上、資本として入力・算定していない。
  4. 税務上の過去の損失累計である「繰越欠損金」が、「役員借入金」以上にある。
【説明】

中小企業の場合、会社に資金が不足した場合に社長さんが個人の資金を会社に貸付け(会社では借入金)ている場合があります。この役員借入金について、将来返す予定はない、返す余裕がないような場合には、事実上、返済する必要のない資本と同じような性質になっているといえますので、実態に合わせて、役員借入金(債務)の返済を免除してもらう(債務免除。会社に貸した役員にとっては「債権放棄」)という方法があります。

この債務免除は、会社にとっては、返さなければならないものが返さなくてよくなったわけですから、その返済しなくてよくなった金額が利益(雑収入)となり、自己資本つまり算定計算式の分子が増えることになります。

ただし、ここで注意が必要なのですが、この債務免除の利益は、利益が出てもお金が入ってくるわけではありません(借金を棒引きしただけですので)。それにもかかわらず、利益が出たということはそれに税金がかかります。つまり、お金が入ってこないのに、税金でお金を取られる可能性があるのです。

このため、実際、この債務免除を検討する場合には、税金計算上の過去(9年間)の損失累計である「繰越欠損金」というものが充分あるかどうかがポイントとなってきます(というのも、税金の計算では、「繰越欠損金」>利益の場合は税金を支払う必要はないためです)。

こうしたことから、債務免除を検討する場合には、銀行格付けにも精通した税理士さんに相談の上、すすめることが必要です。